HNRNP 疾患とは?
HNRNPって何?
- HNRNP とは、heterogeneous nuclear ribonuceloproteins: ヘテロ核リボヌクレオタンパク質に関連する遺伝子のファミリーのことが由来です。hnRNPと表記されます。
- hnRNPは30種類ほどのRNA結合タンパク質を含む大きなファミリーです。
- これらのタンパク質は細胞内で非常に重要であり、下記の多くの遺伝子のRNAプロセシングの多くの側面に貢献しています
- 代替スプライシング(遺伝子のどのバージョンが発現されるかを決める)
- mRNAの安定化(発現した遺伝子が分解されないようにする)
- 転写の制御(どの遺伝子がどこで発現するかを決める)
- 翻訳の制御(どのmRNAがタンパク質になるかを決める手助けをする)
- hnRNPが分子レベルで似ていることもわかっている。さらに、hnRNPは互いに協力し、補い合うことができる。
- hnRNPは、がんや神経変性疾患への関与のため、長い間医学界で大きな関心を集めてきたが、 その多くはhnRNP自体の発現変化によるものであった。対照的に、HNRNP神経発達障害は遺伝子内の変異によって引き起こされる。
- 一般に、RNA結合タンパク質は神経発達において重要な役割を担っている。
- それぞれのhnRNPは、しばしば重複するものの、固有の役割を持っている。遺伝子がRNAになってからタンパク質になるまでに、hnRNPが関与している。
疫学 どうやって起こるの?どのくらいの割合で?
- HNRNP 疾患はこのHNRNP遺伝子の変異によって起こります。
- 遺伝性(両親から引き継がれるもの)ではなく多くが突然変異(de novo)です。
- 非常に稀な疾患で、超希少疾患(20万人に一人以下)の一つです。
- 世界で合計700人程度の患者が確認されています(2023年時点)
- 出生児、または乳幼児からの発達に影響が出ます。
何種類あるの?
現在HNRNP関連遺伝子変異の神経発達障害は変異した遺伝子の種類で約10疾患報告されています。他にも候補遺伝子が見つかっています。
- HNRNPU
- HNRNPK(AU-Kline症候群/オカモト症候群)
- HNRNPH1
- HNRNPH2(バイン症候群)
- HNRNPQ(SYNCRIP)
- HNRNPR
- HNRNPG
- HNRNPC
- HNRNPD
- HNRNPUL1/HNRNPL2
- 他