海外患者会参加報告① 概要(2024 HNRNP Conference&family meeting)

2024年7/28-7/30の3日間に渡って、アメリカ シアトル近郊で開催された海外患者会会議に参加してきました。

シリーズで投稿していきたいと思います。会の概要からご紹介します。まず、会場はシアトル国際空港やシアトルダウンタウンから車で30分くらいの郊外に位置する「Hilton Garden inn Issaquah」で開催されました。自然豊かで近くにサマミッシュ湖などがあります。

海外の患者会のミーティングの開催地は家族がバケーション兼ねてこれるようなリラックスできる環境が多いと思います。

講演は毎日15〜16時ころには終わるので、そのあとは観光に行ったりゆっくり過ごすことができます。

主催者は海外患者会の2団体です。HNRNPH2の患者会であるYBRP(Yellow Brick Road Project)と全てのHNRNP疾患を対象とした患者会のHNRNP ファミリー財団です。YBRPは設立が2018年なので、アメリカ以外にもヨーロッパでも昨年からミーティングを開いており、患者会メンバーも世界中にいます。HNRNPファミリー財団は2023年に設立したばかりなので、アメリカがメインです。

当会は両方の団体の日本地区の担当委員、international delegate,Japanを務めています。プログラムにも記載があります。

また、最近報告されました論文「hnRNPs: roles in neurodevelopment and implication for brain disorders」P. Tilliole et al Front. Mol Neurosci. 17 July 2024にもHNRNPファミリー財団とともに、当会(HNRNPJapan)の記載をいただき、ホームページも引用いただいています。

プログラムの表紙、詳細の内容はこちら

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参加者の集合写真(YBRP&HNRNPファミリー財団、研究者)

開催費用は主に患者会がファウンドレイジング、寄付金を集めて開催しています。他にスポンサーも付いていますが、患者会が主です。

その寄付金の中から患者会が会場費など負担しています。参加家族は、滞在費・会場までの交通費は各自負担しますが、患者会割引価格が適応され、通常よりかなりの割安で泊まれます。

また、患者会が朝食と昼食ブッフェ、会議中の軽食・コーヒーを参加者に無料で提供してくれますし、前日の夜、2日目の夜は患者会による懇親会なども用意して頂きました。また、子どもや家族が遊べるプレイルームを用意されていました。きょうだいがいる家庭にとってはありがたいです。講演会場は家族が子どもと一緒に参加でき、後ろで子どもが遊んでていても大丈夫でした。そのような配慮はありがたいですね。

講演会場の様子、おもちゃで子どもと遊びながら聞ける

プレイルーム、他TVゲームなどもあり、きょうだいが退屈せずにすむ

また、患者会から受付時にこれらのグッズがプレゼントされます。とてもおしゃれで可愛いですよね。

海外の患者会はグッズだけでなく、ウェブサイトやSNSもおしゃれで一般の人が身近に感じることができるスタイルにしています。

そのスタイルは個人的に大いに賛同しています。参加している人、見た人が明るい気持ちになりますね。

YBRP:マグカップ(コーヒーパック1袋付き)、ブレスレット、リボン、トートバッグ、参加者の写真たて、USBコネクター、ステッカー、プログラムホルダー、Tシャツ

HNRNPファミリー財団:タンプラー、コーヒーパック1袋、メガネ拭き、トートバック、Tシャツ(親子)

会議の内容は大きく分けて二つ

講演:各疾患や治療薬開発の第一人者の研究者、Gene Reviewや論文の1st Authorの先生方から、患者家族にも分かりやすく最先端の研究発表が行われます。もはや学会です。臨床医・基礎研究者・バイオベンチャー・製薬会社・研究機関、セラピスト、ソーシャルワーカーなど多種多様の専門家が一堂に介して患者家族と同じ目線で対話します。

Natural History Study(自然史研究)の実施:会議中に同時進行で行われます。各家族に個別にスケジュール表が患者会を通して渡されます。家族は時間になると講演会場を抜けて評価が行われる部屋に自ら向かいます。研究について詳しくはこちらのClinical Trials govの記載から

では、次回は内容について報告いたします。