初めて主催ハイブリッドイベントを行いました!
6月22日(金)に「知ろう!つながろう!超希少疾患〜HNRNP関連神経発達症〜」1st HNRNP JAPAN meeting in Osakaを開催しました。
当会初めての主催イベントで、初めて対面で同じ患者家族(5家族)と会いました。
オンラインでの参加(3家族、他一般視聴参加者53人)も多数頂きました。終了後のアンケートにもたくさんの方が回答いただきありがとうございました。今後の企画、運営の参考にさせていただきます。
第1部医療セミナーで、講演1では国立精神・神経医療研究センター伊藤雅之先生より「希少難病の研究とは」という演題でご講演いただきました。
当会の公式Youtubeチャンネルに動画をUPしております。こちらから
伊藤先生は2024年3月よりHNRNP疾患も加えて頂きました、厚生労働省難治生疾患政策研究事業「レット症候群とその周辺疾患の臨床調査研究」研究班の班長をされており、現在進行形でHNRNP疾患の患者の全国調査を行っていただいています。
現在のところ途中報告の段階ですが、国内では遺伝子検査で確定診断がついている患者数は約30弱で、推定でも約30〜50人だろうとのことでした。
そして、地理的には関西地方が抜きん出て患者数が多いとのことでした。
HNRNP疾患の患者さんはほとんどが、突然変異なので、遺伝子検査で診断がついている患者が関西に多いだけで、全国で、実際患者数のばらつきはないはず、と言われていました。当会といたしましては、診断の普及にとつめていきたい思います。また、疾患として、小児慢性特定疾患、指定難病になるにはどのような手順で進むのか、必要な調査とは何かを詳しくお話頂きました。
講演2では大阪母子医療センターの岡本伸彦先生より「HNRNP疾患など希少疾患の臨床と研究」という演題でお話しいただきました。
大阪母子医療センターは現在、国内でHNRNP疾患の症例数が一番多いご施設です。他にも非常にたくさんの遺伝子関連の希少疾患を見ておられていて、IRUD参加数も全国で一番多いそうです。
また当会の対象疾患である、HNRNPK関連遺伝子疾患はAu-Kline症候群とも言われますが、岡本先生のお名前を冠した別名Okamoto症候群とも言われています。遺伝子を同定したのがカナダのAu先生とKline先生ですが、その前に岡本先生が疾患の特徴としてご報告されていてOkamoto症候群と世界的にも認められています。Okamoto症候群についてもお話しいただきました。当会にもHNRNPK遺伝子関連のOkamoto症候群、(Au-Kline 症候群)の患者さんがおられますので、第一人者から岡本先生のご講演は非常に勉強になりました。HNRNP疾患はその疾患ごとに特徴的な顔貌があると言われますが、岡本先生はOkamoto症候群(HNRNPK)は顔を見たら分かるそうです。
また他にもHNRNPUの患者さんも特徴的だと言われていました。HNRNPH2(バイン症候群)に関しては特徴的な顔貌はそうでもないそうですが、HNRNPH2は患者会の支援でアメリカで治療薬が開発されていますが、HNRNPH2のモデルマウスを使った論文もご紹介されていました。
第2部では患者家族と医療者の対話の時間でした。
まず海外の研究者、コロンビア大学HNRNPH2の第一人者のバイン先生とiPS細胞で治療薬の研究をしている同大学のリクペロ先生、HNRNP疾患全体の研究をしているシアトル小児病院のギレンタイン先生、HNRNPファミリー財団の代表、イエロー・ブリック・ロード患者会の代表からのメッセージビデオ動画を見た後に、「困りごと、望むこと」についてみんなで話し合いました。
率直に困り事や望むことについて患者家族から話し、先生方からも貴重なご意見いただきました。非常に闊達な議論が行われました。まとめといたしましては、下記のように、私たちの困りごとで一番多かったのは「てんかん発作」で一番多くの家族が望んでいることは「話せるようになってほしい」でした。
超希少疾患において、このような患者家族の意見・経験は非常に貴重ですし、また海外ではpatient centerd outcomesと言われ、治療薬開発の前に患者家族が何に困っていて、何を一番望んでいるのか、をヒアリングし、それを元に治療薬開発の設計がされます。昨今、日本でもPPI(患者市民参画)と言われて、患者と研究者との対話が望まれています。当会の意見として広く伝えていきたいと考えています。
最後、集合写真を撮り、懇親会を楽しみました。超希少疾患の私たちが日本で初めて対面で会うことができました。まだまだ話し足りないという意見もいただくほど、盛会でした。まだ、全くの未定ですが来年も開催したいと思います。ご参加いただいた皆様本当にありがとうございました!